読者の皆さんは「うるう秒」をご存知ですか?
うるう年は誰でも知っていますが、うるう秒についてはあまりご存知ない方も多いのではないでしょうか?
実は、2015年7月1日(明日)の午前9時直前に、3年ぶりに26回目のうるう秒が挿入されることになっています。そのため、加入電話やINSネットの電話サービスでNTTの時報サービス(117)を聴くと、8時59分58秒と59秒と60秒と9時ちょうどで、いつものピッ・ピッ・ピッ・ポーンという時報が流れるのですが・・・・・ひかり電話からNTTの時報サービスを聴くと、8時59分57秒と58秒と59秒と60秒と9時ちょうどで、ピッ・ピッ・ピッ・ポーン・ポーンと、2回連続で時報音(ポーン音)が流れるそうです。
うるう日というのは、地球の公転の速さと月日を合わせるために挿入する1日(2月29日)のことであることはよく知られています。つまり、実際の地球の1年(公転周期)が、365.2422日であるため、およそ4年に1回の割合で2月29日があるわけです。
そして、うるう秒というのは、地球の自転の速さと時間を合わせるために追加もしくは削除する1秒のことなのです。つまり、実際の地球の1日(自転周期)は24時間=86400秒ではないため、うるう秒を追加または削除する必要があるわけですが・・・・・過去には削除されたうるう秒はありません。
「1秒ぐらい、そんなのどうでもいいんじゃない?」と思う方も多いと思いますが(私もそう思います・・・・笑)、世の中には厳正な時間に基づかなければマズイことになることも意外と多いらしく(コンピュータや航空宇宙関係の仕事だったり、放送や株式市場関連の仕事などです)・・・・・地球レベルでは、「協定世界時」というもので全世界の時刻を決めているため、うるう秒が必要なわけです。
じゃあ、私が、なんでこんな記事を書いているかといえば・・・・・来年の理科の中学入試問題でうるう秒が出題される可能性があるからです!!
というわけで・・・・・うるう秒の出題例である、「平成18年度 麻布中学校 理科 4番 問9、問10」をご紹介すると・・・・・・
『昔は太陽の位置で時刻を決めていました。現在では太陽の動きよりも正確に時を刻む「原子時計」という時計で非常に正確な時刻を求めることができるので、それを使って時刻を調整しています。今年は7年ぶりに「原子時計」による調整が行われました。この調整は、1月1日の午前8時59分59秒と午前9時0分0秒の間に1秒をつけ加え、1月1日をふつうの1日よりも1秒長い1日にするという形で行われました。
問9 このつけ加えた1秒を何というでしょう。下のア〜オから適当なものを選び、記号で答えなさい。
ア. 調整秒 イ. うるう秒 ウ. プラス秒 エ. 原子秒 オ. 時報秒
問10 今年の1月1日のように、1秒をつけ加えることがあるのはなぜでしょう。また、午前8時と9時の間でつけ加えたのはなぜでしょう。T群(@,A)とU群(B〜D)の組み合わせとして適当なものを下のア〜カから選び、記号で答えなさい。
ア. @−B イ. @−C ウ. @−D エ. A−B オ. A−C カ. A−D
T群
@ 平均した太陽の動きが、「原子時計」よりもおくれてきたから。
A 平均した太陽の動きが、「原子時計」よりも進んできたから。
U群
B その国にとってつごうのいいときにつけ加えればよく、日本では1月1日の午前8時と午前9時の間は、仕事も学校も休みの朝というつごうのいいときだから。
C 世界中が同時に調整しなければならないが、それが日本では午前8時と午前9時の間になるから。
D 日本の午前8時と午前9時の間は、世界中のどの国にとってもつごうのいいときだから。 』
もちろん、正解は・・・問9がイ、問10がイ となります。 小学生にも選べる形にT群の選択肢を工夫してありますが・・・・・このブログを読んだ受験生諸君が「うるう秒が追加されたのはなぜか書きなさい。」という記述問題に答えるときは、「平均した地球の自転速度が86400秒よりも遅くなったため。」と答えれば満点解答でしょう(笑)
ちなみに・・・・・毎年1月1日はエクセレントゼミナールでは正月特訓を実施していて、中学受験生の小6は朝から授業があります。そのため、私は20年以上、元日が休みだったことはないのですが・・・・・この時期は職員は交代で休みを取っているため、うちのリラックマはちょうど9年前の1月1日は休みでした。だから、自分の時計の秒針と時報が1秒ずれる瞬間を自宅のテレビ前で確認したそうです(爆笑) 理科の先生って、こういう人が多いんですよ(笑) 私が麻布の卒業生だからわかることですが・・・・・おそらくこの問題の作問者は、地学のY先生で・・・・・あの先生ならば、うるう秒のネタは絶対出題するだろうなあ、と思っていたら案の定、という年でした(笑) というわけで、来年どこかの中学で出題されるかもしれませんから、うるう秒については覚えておいても良い話題です。この記事が参考になった方は、ぜひ応援クリックをお願いいたします!!