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2009年08月11日

難関私立中の実情その6:「実力練成テキスト」

 塾・学校専用教材のうち代表的なものに、「新中学問題集」(教育開発出版株式会社)と「シリウス」(育伸社)があることは述べました。
 
 これらに加えて、中央教育研究所が取り扱っている「実力練成テキスト」シリーズが難関私立中で採用されている3大副教材でしょう。
 
 中央教育研究所株式会社(http://www.chuoh-kyouiku.co.jp/index.html)の本社が広島県にあるため、中国・四国地方を中心に、関西圏の私立中で広く採用されているのが「実力練成テキスト」です。
 
 関東で英語の副教材として採用している私立中は、世田谷学園中、横浜女学院中、聖セシリア女子中、東京純心女子中、川村中など、関西では、関西学院中、甲陽学院中、ラ・サール中、大谷中などで採用されています。
 
 全国的な支社網と独自販売網を持つ教育開発出版や育伸社と比べて、中央教育研究所が取り扱っている教材は、文理、エデュケーショナルネットワーク(栄光ゼミナールの関連会社)、好学出版、正進社などを通して販売されています。しかし、一般的な書店でも販売されている「教科書ワーク」などと違い、「実力練成テキスト」は塾・学校専用教材であるため、書店では販売していませんし、個人では購入できません。
 
 「新中学問題集」も「シリウス」も「実力練成テキスト」も英語・国語・数学・理科・社会の5科目が発行されていますが、新中学問題集やシリウスが英語・数学・国語の3科目について標準編と発展編を用意して多様化に対応しているのと対照的に、「実力練成テキスト」は今までは1種類で対応していました。・・・・・・しかし、「実力練成テキスト」の姉妹編として、今年、「中学実力練成αスタンダード」(実力練成テキストよりも易しく設定)を発行しラインナップの充実を図りました。
 
 中央教育研究所が取り扱っているさまざまな教材のうち、難関私立中で採用されることが多いのは、「発展新演習」、「実力完成問題集」、「実力練成テキスト」の3種類です。


 数回に渡るこれまでの記事で・・・・・・「教材作成会社と教育現場は、教材を「薬」、教師を「医者」とした「医薬分業」の関係のようなものです」と私が表現した意味がおわかり頂けたでしょうか? 薬品会社によって、似たような成分の薬の名前がそれぞれ違うように、成分が同じでもバランスが少し違うわけです。効果については・・・・・第一類医薬品(塾・学校専用教材)>第二類医薬品(市販教材)となってはいますが・・・・・イラストがなかったり、詳しい説明がなかったり、と塾・学校専用教材には第一類医薬品と同様にリスクがつきものですから・・・・・用法・用量を守り、使用には十分ご注意ください(笑) この記事が参考になったという方は応援クリックお願いいたします!!

posted by 主宰 at 10:00| Comment(8) | 難関私立中の実情

2009年08月08日

難関私立中の実情その5:「シリウス」

 
 前回の「新中学問題集」の稿で、授業をする先生と教材作成業者を、医者と製薬会社の違い(医薬分業)にたとえましたが・・・・・製薬会社に何社かがあるように、教材作成業者にもいくつか有名な会社があります。「新中学問題集」が教育開発出版の代名詞であるように・・・・・「シリウス」が育伸社(http://www.ikushin.co.jp/)の代名詞です。
 
 「シリウス」は1993年に開発された教材で、「シリウス21」に改訂され、現在に至ります。「シリウス21」には、「発展編」と「標準編」と「アルファ」があります。「シリウス21 発展編」(英数国の3科のみ)は難関私立中学生と難関私立高校受験生に適したレベル、「シリウス21 標準編」(英数国理社の5科)は標準私立中学生と上位高校受験生に適したレベルと考えて良いでしょう。しかし、標準編であってもかなり難度が高いため、英語と数学についてのみ新たに「アルファ」が開発されました。もちろん育伸社で作成している教材は、塾・学校専用教材ですから、「アルファ」は塾の普通クラスを対象としたレベルだと言えるでしょう。
 
 育伸社の教材には、「シリウス」のほかにも、「ジャック」「練成テキスト」というシリーズがあり、それぞれ、「ジャック21」、「新練成テキスト」に改訂され現在に至ります。3つのシリーズが存在する理由は、難度の違いではなく、編集の違いです。たとえば、「シリウス21 英語 中1 発展編」では、各章の冒頭に例文と基本文法の解説部分がありますが、「ジャック21 英語 中1 発展編」は純粋な問題集であり、文法解説部分は全くありません。ですから、「ジャック」は「シリウス」を補完する問題集という位置づけであり、英語の本科授業では「シリウス」を、課外授業では「ジャック」をというように使い分けている学校もあります。
 
 シリウスを英語の文法教材として採用しているのは、ラ・サール中、江戸川学園取手中、昭和学院秀英中、公文国際学園中、サレジオ学院中、城西川越中、那須高原海城中、共立女子第二中などの私立中ですが・・・・・採用教材は年によって変わることも多く、「シリウス」を使っていた学校が「新中学問題集」に変更したり、またその逆も見られます。
 
 つまり難度としては、「シリウス21 発展編」と「新中学問題集 発展編」が同等レベル、「シリウス21 標準編」と「新中学問題集 標準編」が同等レベルと言って良いため教師側の使い勝手によって変更されることも多いわけです。したがって教材作成業者にとっては、より教育現場の声を反映した、使い勝手の良い教材のラインナップを揃えることが必須課題ですから、なかなか大変なお仕事です。
 
 これが文部科学省の検定教科書であれば・・・・・○○地区はすべて□□社の教科書を採用するなどの慣例があるので、ある程度の出版部数は確保されているのでしょうが・・・・・塾・学校専用教材の場合は、より良い教材を開発していかないと生き残れないわけです。その意味では、塾・学校専用教材に優れたものが多いのは当然なのです。
 
 ちなみにエクセレントゼミナールでは、在籍している生徒の通う中学校が「新中学問題集 発展編」を採用していることが多い場合には、エクセレントゼミナールの授業では「シリウス21 発展編」を使い(学年によります)、その逆のパターンもあります。なぜ、このようなシステムをとるのかといえば・・・・・「新中学問題集」を採用している学校の定期テストで出題される問題が「シリウス21」から出題されることも多々あるためです
 
 定期テスト問題や実力テスト問題では、重要な単元や重要な問題が出題されるわけです。ところが生徒たちにとっては初めて学習する単元がほとんどなわけですから・・・・・どこが重要なのかを良くわかって学習している生徒はほとんどいません。したがって、我々が重要なポイントを抑えて、頻出重要問題をしっかりと定着させることが得点力につながるわけです。
 
 つまり、たとえ良い教材(薬)を手に入れても、やらなければ(飲まなければ)、効果はありませんし・・・・・時間は無尽蔵にあるわけではありませんから・・・・・効果的な学習法(どこをやるか、何をどういう順序でやるか)を考慮しないとバランス良く全教科で得点することが難しくなるわけです。これをアドバイスし、わからないところを教えるのが我々の仕事なわけです。中1や中2のうちは、実力テストへの対策法はもちろん、定期テストの勉強法すら良くわかっていない場合が多いですから・・・・・不器用な生徒ほど、勉強時間だけは多いのに思ったように得点に結びつかず、そのうち苦手意識を持ってしまう人は多いわけです(私もその一人でした・・・・笑)。
 
 私立中にもよりますが・・・・・英語が2科目(教科書内容のテストと文法のテスト)、数学が2科目(幾何と代数)、国語が3科目(現代文と古文と漢文)、理科が3科目(化学と生物と地学など)、社会が2科目(世界史と地理など)と・・・・・期末試験で12科目ぐらいを5日間に渡ってテストする都内進学校などの生徒は効率良く試験勉強をこなしていかないと大変なことになります。その意味では・・・・・中学受験はあくまで通過点に過ぎませんから、受験が終わって一安心は危険ですよ(笑) この記事が参考になったという方は応援クリックお願いいたします。
 
posted by 主宰 at 10:00| Comment(4) | 難関私立中の実情

2009年07月31日

難関私立中の実情その4:「新中学問題集」

 英語の文法用教材として、難関私立中で採用されることが多いのが「新中学問題集」と「シリウス」(稿をかえて書く予定)です。


 「新中学問題集」は、塾・学校用専用教材として教育開発出版(http://www.kyo-kai.co.jp/)が編纂した問題集で、英語だけでなく、数学、国語、社会、理科という高校受験の主要5科目について、各学年別に発行されています。


 英語・数学・国語の主要3教科については、難度別に発展編と標準編の2種類があり、発展編は主として難関私立高校受験に対応するレベル、標準編は中堅私立高校〜公立高校受験に対応するレベルとして編集されていると考えていいでしょう。また数学については、「体系数学」のように中高一貫校に合わせた編集方針をとった「数BEKI」が新たに編集されました(代数T、代数U、幾何T、幾何Uの4分冊)。


 教育開発出版は日本全国に支社と販売網を持ち、塾・学校用専用教材の開発と全国レベルの中学生用模試(学力診断テスト)を作成している会社で、プロ用教材のラインナップは充実しています。「新中学問題集」だけでなく、各科目の教科書内容の定着を図るドリル教材として、「Keyワーク」を採用する私立中もかなりの数にのぼります。また「新中学問題集」の姉妹版である「新小学問題集」は、大手進学塾でも中学入試用教材として採用されています。


 教材開発というのは、作成者の見識が高くて教材作りが好きでないとできない作業で(医薬分業のようなもの?)・・・・・エクセレントゼミナールのスタッフのように、もともと大手進学塾でテキストやテストの作問を担当していた教師や、教師たちの研修担当をしていたベテラン(マニアックな?)教師がどこにでもいるわけではありませんから、ベースとなるテキストは、こういったプロ用教材会社の品質が安定しているものを使う塾や学校はかなり多いわけです(もちろん我々も使っています)。


 英語の「新中学問題集」に関しては、英文法補助教材として採用する私立中も多く、現在は海城中、慶應義塾中等部、芝浦工大柏中、県立千葉中、豊島岡女子学園中、頌栄女子学院中、実践女子学園中、品川女子学院中、東京女学館中、女子聖学院中、常総学院中などで採用されています。


 したがって、「Keyワーク」、「新中学問題集」、「マイクリア」などを含めたら・・・・・何かの科目でひとつぐらいは教育開発出版が編纂したテキストを使っている難関私立中は非常に多いわけです。教材の表紙を巻きかえてオリジナル教材のようにして生徒に配る私立中もありますが、我々が見るとすぐにわかってしまいます(笑)。


 しかし、「新中学問題集」をはじめとする教育開発出版の編纂した教材は優れたものです。特にその延長線上の高校版である「高校リード問題集」を採用している中高一貫校はかなり多いと思います。エクセレントゼミナールの生徒は、私立中学受験をする小学生と私立中高一貫校の中学生・高校生がほとんどですが・・・・・「高校リード問題集」は上位公立高校でも英文法補助教材として採用していますので、日本全国で考えると採用している学校はすごく多いといえるでしょう。この記事が参考になったという方は、応援クリックお願いいたします。
 

posted by 主宰 at 10:00| Comment(5) | 難関私立中の実情

2009年07月24日

難関私立中の実情その3:「トレジャー」

 前回は、「プログレス」について書きました。今回は、ここ数年で採用する学校が増えている「トレジャー」について書いてみたいと思います。
 
 「トレジャー」は大学受験の参考書・問題集の老舗である「Z会」が編纂したテキストで、2003年に誕生しました。
 
 「プログレス」がオーラル・アプローチで音声を重視し、英語圏の文化や歴史を中心に英語を学ぶことを主眼として編纂されたのに比べ、大学入試を意識して英文の絶対量や語彙数を増やすことを主眼として編纂されたのが「トレジャー」です。
 
 英文を読んで語彙量を増やす手法は、Z会にとっては「速読英単語」の例をひくまでもなく得意中の得意といっても良いわけです。 しかし、英文の絶対量が多いことも確かで・・・・・予習・復習にかなり時間をとられます。
 
 「トレジャー」を採用している私立中は、雙葉中、早稲田実業中、浦和明の星女子中、共立女子中、巣鴨中、本郷中、市川中、江戸川取手中、春日部共栄中、獨協埼玉中など多数にのぼるのですが・・・・・我々にとって、頭のイタイことがあるのです。
 
 それは・・・・・Z会が塾に対して「トレジャー」を販売してくれないことです。
 
 業界に詳しい方ならご存知だと思いますが・・・・・検定教科書は出版部数が見込めるため、出版社側も価格を安くできるという良さがあります。そして、それに付随する教科書ガイドや準拠ドリルなどの販売利益もあります。また、文部科学省の検定教科書であれば、教科書に準拠した問題集などは書店でも購入できます。
 
 「新中学問題集」や「シリウス」(いずれ稿を変えて書くつもりです)などは、塾・学校専用教材であるため、我々は購入することが可能ですし、「プログレス」や「プログレス21」についてもエクセレントゼミナールではすべて揃えてあります。ところが、「トレジャー」については生徒の使用している教材をコピーしないと、対策教材が作れないわけです。しかも・・・・・2010年度からは、コミュニケーション力と論理的思考力の双方を強化した「ニュー・トレジャー」を投入する予定だそうですから、さらに頭がイタイ話です。
 
 「体系数学」や「サクシード」、「4ステップ」などの数研出版の数学教材については、編集方針の差異はあれ、掲載されている問題が変化するだけですから、我々にとってはその場で何とかできるのですが・・・・・・国語や英語は本文を読まないと教えることができない場合が多いので、すごく面倒で手間がかかるのです。
 
 難関私立中の生徒が、必ずしも英語を自学自習できる生徒ばかりだとは限りません。そして、「プログレス」や「プログレス21」、「トレジャー」で扱う英文は多量ですから、学校の授業で全て解説し、生徒が消化しているわけではなく、未消化でわかっていない部分もたくさん残るわけです。中学で初めて習う英語という科目で、英和辞書をひくのもおぼつかない中学生が、どれだけ自力救済できるのかは難しいところだと思うのですが・・・・・皆さんはどう思いますか? ちなみに、麻布中時代に自力救済に失敗し、英語に対する苦手意識が作られてしまった私です(苦笑)。この記事が参考になったという方は、応援クリックお願いいたします!!
 


 

posted by 主宰 at 10:00| Comment(21) | 難関私立中の実情

2009年07月22日

難関私立中の実情その2:「プログレス」

 難関私立中で採用されている英語の教科書は、文部科学省の検定教科書だけではないことがあります。
 
 その中でも、自学しにくいテキストの筆頭に挙がるのが、「プログレス」という名前で知られる、「プログレス イン イングリッシュ」でしょう。
 
 もともとこのテキストは、1952年に来日され、兵庫県の六甲中学などで英語を教えていた、イエズス会宣教師の故ロバート・フリン氏が編纂した英語テキストで・・・・・従来からの英文法中心の英語理解ではなく、オーラル・アプローチを中心として、編纂されています。
 
 そのため、キリスト教系列の私立中学校を中心に採用されて広まり、かなり前には、開成中でも採用されていたことがありました。
 
 たしかに、「聞く⇒話す⇒読む⇒書く」という流れは、母語獲得に必要な言語運用の4技能なのですが・・・・・日本語と英語の仕組みが違うために、私立中の生徒であっても、とまどうことが多いのがこのテキストです。
 
 わかりやすく言うと・・・・・言語を習得する際に、赤ちゃんに対して両親は簡単な文と言葉で話しかけますね。そして、少しずつ喋りだします。その後、「桃太郎」や「白雪姫」などの童話を中心に読み聞かせをしていき、文字が読めるようになり、やがて平仮名、カタカナ、漢字などを書けるようになっていきます。
 
 ところが、言語の臨界期(敏感期)の問題があるため、中学で初めて英語に触れる生徒には、とてもとっつきにくいテキストなのです(言語の臨界期については、こちらにとても詳しい内容が載っていますので、興味のある方は参考にしてくださいhttp://oshiete1.goo.ne.jp/qa2538815.html)。
 
 したがって、発刊当初の「プログレス イン イングリッシュ」には、本来のテキスト以外に、英語の短い童話や読み物の小冊子なども副教材としてあったのですが・・・・・・幼児と違って知的レベルが高い中学生にとっては、第二外国語を習得する上では、教科書としては必ずしも効率的でなかったわけです。
 
 現在は、改良版である「プログレス イン イングリッシュ 21」が2003年に出版されており、当時旧版のプログレスを使用していた麻布中、栄光中、聖心中などの先生方が著作・編集委員として加わり、教育現場の声を反映する形で、旧版のプログレスに不足していたドリル教材などを補完した全面改訂が行われ現在に至ります。
 
 英語の学習方法を大別すると、従来からの「英文法中心主義」と「オーラルアプローチ中心主義」があると思いますが・・・・・どちらも一長一短なのです。
 
 つまり、「英文法中心主義」では、「読む⇒書く」の流れが強調される嫌いがあり、「オーラルアプローチ中心主義」では、膨大な量の英文を「習うより慣れろ」的に使っていく必要があります。いずれにしろ、真の意味で外国語を使いこなせるようになるためには、トータル2000〜3000時間程度の学習が必要(海外に6ヶ月滞在するのと同程度)だと考えられますから、英語は一朝一夕で身につくものではありません。
 
 その意味では、「倦まず、たゆまず、あきらめず」、ずっ〜〜と学習し続ける粘り強さが、英語の習得には不可欠です。
 

 ちなみに・・・・・私がまだ若いころに、アルクのヒアリングマラソンというプログラムに取り組んだことがありますが(1年間に1000時間、英語のニュースや音楽、映画などを聞くというプログラムです)・・・・・500時間を超える頃には、ネイティブのスピードでも、単語や発音をきちんと聞き取れるようになりました(今はダメですよ・・・・笑。耳が慣れるまでに少し時間がかかりますから)。この記事が参考になったという方は、応援クリックお願いいたします!

 

posted by 主宰 at 10:00| Comment(6) | 難関私立中の実情