「なぜ中学受験をするのか?」のポジティブな理由の7番目に挙げたのが、「行きたい私立中があるから」というものでした。
「行きたい私立中がある」ことは、受験生本人にとってはモチベーションを上げるためにとても効果的です。
ただし親にとっては・・・・・夢と現実の間にかなりギャップがあることもあるので、その場合は注意が必要です。
具体的にどういうことを指すかというと・・・・・中学受験専門の進学塾で勉強を始める前の段階では、お子さんの素質を測る指標がどうしても親の感覚的なモノサシや小学校での成績評価に頼ることになってしまい・・・・・それを基準にすると、現実との間にかなりの誤差が生じる場合が多々あります。
子どもが小さいときには、「ウチの子、天才じゃないかしら?」と思うことがよくありますよね(笑)
確かに、親から見た場合に、子どもの発想力や暗記力が自分たちよりも優れていると感じることはありがちで・・・・・その一点だけを見ると、つい親は夢を見てしまうわけです。
子どもが幼いうちに、将来なりたい職業を訊くと、「プロ野球選手」とか「プロサッカー選手」などを答えますが・・・・・その実現可能性が低いことを常識的に知っているため、大人は笑っていられます。ところが、これが「医師」や「弁護士」だと、なまじ手が届く可能性の高い目標であるため、つい「本気で頑張らせたら・・・・・」ということになります。まして、身近に難関私立中に通っている好ましい人がいたり、目指そうとする学校がある場合には、それらを当面の目標にする例が多いわけです。
目標を持つことは、目標を全く持たないことよりはずっと良いのですが・・・・・我々から見て、最初の目標が実力と見合っている例は非常に少ないのが実情(たいていはお子さんの潜在能力よりも高望みすることが多いようです)ですから、受験までにはいろいろな意味で目標を修正することが必要となります。なぜそうなりがちかというと、我々教師は何人もの受験生を見てきていますし、具体的に入試問題の出題傾向や難易度を熟知していますから客観的な判断が可能ですが・・・・・御父母の皆さんにとっては比較するサンプルが兄弟・姉妹や昔の自分たちぐらいしかないからです。
そして、週テストやカリキュラムテストや模試などを受けるようになってからは、偏差値という尺度で合格可能性を判断するようになり・・・・・いつの間にか目的と目標がごちゃ混ぜになってしまう。すると、結果として正しい志望校を選択することができなくなる場合があるわけです。気をつけたいのは、大手塾の中には、公開テストを受験した生徒相手に電話をかけて、「私と一緒に○○中を目指しましょう!!」というセールストークで、集客のために入会を勧誘する事例もあることで・・・・・同業者としては眉をひそめたくなります。
ですから、マイルストーンとしての成績目標や偏差値目標は指標として大切ですが、それらは目的ではなく、場合によっては志望校に合格することすら目的ではありません。なぜなら、合格することだけが目的であったなら、合格した時点で目的が消失してしまい、はじけてしまうからです。
ちなみに・・・・・私自身は特に行きたい私立中があったわけではありません(笑) 次回の稿にくわしく書きますが・・・・・私は、「勉強することで色々な知識を得ることが面白かった」から勉強していただけです。地元の公立中に進学する気が無かったから中学受験をして麻布中に進学しただけで・・・・・その反動のせいか、第一志望に向けて必死に頑張る受験生は全力でサポートするようになってしまいました(苦笑) 実際、小学生といえども、志望校に合格したい一心で本気で勉強する受験生の持つエネルギーはスゴイですから・・・・・ある意味、私の子ども時代なんかよりも彼らはずっとたいしたものです(笑) だから私は、「子どもの憧れの志望校受験」は否定しませんが、「親主体で選んだ志望校」については、合格可能性が低い場合には肯定しません(笑) いずれにせよ、「行きたい私立中」があくまでも本人の志望である場合には勉強に対するモチベーションを高めますが、「行かせたい私立中」を親が受験生に刷り込んだ場合には、思った通りの結果がついてくるとは限りませんので、お気をつけください。 この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
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2011年02月26日
中学受験の歩き方:行きたい私立中がある
posted by 主宰 at 02:00| Comment(2)
| 中学受験の歩き方
2011年02月23日
中学受験の歩き方:特色ある教育を受けさせたい
「なぜ中学受験をするのか?」のポジティブな理由の6番目に挙げたのが、「特色ある教育を受けさせたいから」でした。
ともすれば中学受験では、高偏差値で大学進学実績の良い私立中高一貫校に目が行きがちですが、本来は私立中学というのは公立と違った特色を打ち出している学校ばかりですから、私立の掲げる「特色」をきちんと把握して志望校を選んでいくことが最も大切です。
一般的には、男子校・女子校・共学校、カトリック系・プロテスタント系・仏教系、進学校・大学付属校・半付属校などで色分けされることが多いのですが・・・・・「その他」についても細かく調べておくことをお勧めします。
一例を挙げれば、主要科目以外の教育の特色です。現在の詳しいカリキュラムは知りませんが・・・・・私が在学中の麻布中高では、美術のカリキュラムが非常に充実しており、中1で日本画を、中2で油彩画を、中3で彫刻を、高1でシルクスクリーンを、高2でエッチングを扱っていました。高校になると芸術科目は選択になるため、「書道」を選択する生徒が多かったと記憶していますが・・・・・美術系の基本作業を一通り教わったことは、「教養」として役にたちました。
また、息子が通っていた東邦大東邦中高でも、中2の「技術」の授業では、パソコンの知識を一通り履修するだけでなく、htmlの構造やらjavaの基本を教えていて、生徒一人ひとりがHPを持っていたようです。そのおかげで、word、excel、powerpoint、flashを含めて、大概のパソコン作業はできるようですから、大学のレポート作成などでパソコン操作がわからずに困ることはないようです。
私は商売柄、机上の学習内容を教えることについてはプロですから・・・・・学校選びをする際には、「机上で学べる学問以外」が充実している学校を選びました。つまり、「理科実験」などの設備や施設を必要とする教育カリキュラムを重点に置く学校(麻布も東邦大東邦も理科実験授業が充実しています)では、実験設備や体験学習的な教育内容が充実しているため、公立とまったく違う教育の特色があるわけです。
女子学院では、家庭科の授業で一人分の食事の自炊の仕方を徹底的に教えるようですし、東邦大東邦の家庭科の授業でも、洗濯用洗剤の特性と選び方などもきちんと学習するようですから・・・・・独り立ちしてからはこれらの知識は本人の役に立つでしょう。
ちなみに、私自身はこれらの分野についてはほとんど自分でできません(笑) もちろん生活するために必要になれば、それなりに学習することになるのでしょうが・・・・・自炊しない、裁縫できない、洗濯わからない、という私みたいなのもどうよ? と思うわけです。現代日本の都市部で生活することだけを考えれば、コンビニがあって、ボタンつけができて、コインランドリーが近くにあれば、あまりできなくても困らないかもしれませんが・・・・・海外赴任が当然な現代では、コンクリートジャングルでのサバイバル術を学ぶのは、語学の習得とともに大切だといえるでしょう(笑)
つまり、どうしても大学受験に必要な主要科目の履修カリキュラムばかりに目が行きがちですが・・・・・中等教育というのは、本来、生徒が自立したときに困らないための基本を教えるのが本旨ですから・・・・・ペーパーテストだけしかできない偏差値エリートを作り上げることに血道をあげる教育カリキュラムが優れているとは私は思わないわけです。
進学校に娘を通わせながら、家庭でバッチリと家事を仕込む賢明なお母様もいらっしゃる反面、せっかく進学校に入学したのだからと、勉強以外のことは決してやらせなかったお母様もいらっしゃいます。
ここらへんは、どちらかというと「家風」の問題ですが・・・・・いずれにしろ、学校ですべてをまんべんなく学習することは不可能ですから、自分のお子さんに足りないのはどういった分野か、そしてそれをどのように補完するかを考える上でも、シラバスなどでカリキュラムを調査しておくことは、特色ある教育をする私立だからこそ大切だと思います。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
ともすれば中学受験では、高偏差値で大学進学実績の良い私立中高一貫校に目が行きがちですが、本来は私立中学というのは公立と違った特色を打ち出している学校ばかりですから、私立の掲げる「特色」をきちんと把握して志望校を選んでいくことが最も大切です。
一般的には、男子校・女子校・共学校、カトリック系・プロテスタント系・仏教系、進学校・大学付属校・半付属校などで色分けされることが多いのですが・・・・・「その他」についても細かく調べておくことをお勧めします。
一例を挙げれば、主要科目以外の教育の特色です。現在の詳しいカリキュラムは知りませんが・・・・・私が在学中の麻布中高では、美術のカリキュラムが非常に充実しており、中1で日本画を、中2で油彩画を、中3で彫刻を、高1でシルクスクリーンを、高2でエッチングを扱っていました。高校になると芸術科目は選択になるため、「書道」を選択する生徒が多かったと記憶していますが・・・・・美術系の基本作業を一通り教わったことは、「教養」として役にたちました。
また、息子が通っていた東邦大東邦中高でも、中2の「技術」の授業では、パソコンの知識を一通り履修するだけでなく、htmlの構造やらjavaの基本を教えていて、生徒一人ひとりがHPを持っていたようです。そのおかげで、word、excel、powerpoint、flashを含めて、大概のパソコン作業はできるようですから、大学のレポート作成などでパソコン操作がわからずに困ることはないようです。
私は商売柄、机上の学習内容を教えることについてはプロですから・・・・・学校選びをする際には、「机上で学べる学問以外」が充実している学校を選びました。つまり、「理科実験」などの設備や施設を必要とする教育カリキュラムを重点に置く学校(麻布も東邦大東邦も理科実験授業が充実しています)では、実験設備や体験学習的な教育内容が充実しているため、公立とまったく違う教育の特色があるわけです。
女子学院では、家庭科の授業で一人分の食事の自炊の仕方を徹底的に教えるようですし、東邦大東邦の家庭科の授業でも、洗濯用洗剤の特性と選び方などもきちんと学習するようですから・・・・・独り立ちしてからはこれらの知識は本人の役に立つでしょう。
ちなみに、私自身はこれらの分野についてはほとんど自分でできません(笑) もちろん生活するために必要になれば、それなりに学習することになるのでしょうが・・・・・自炊しない、裁縫できない、洗濯わからない、という私みたいなのもどうよ? と思うわけです。現代日本の都市部で生活することだけを考えれば、コンビニがあって、ボタンつけができて、コインランドリーが近くにあれば、あまりできなくても困らないかもしれませんが・・・・・海外赴任が当然な現代では、コンクリートジャングルでのサバイバル術を学ぶのは、語学の習得とともに大切だといえるでしょう(笑)
つまり、どうしても大学受験に必要な主要科目の履修カリキュラムばかりに目が行きがちですが・・・・・中等教育というのは、本来、生徒が自立したときに困らないための基本を教えるのが本旨ですから・・・・・ペーパーテストだけしかできない偏差値エリートを作り上げることに血道をあげる教育カリキュラムが優れているとは私は思わないわけです。
進学校に娘を通わせながら、家庭でバッチリと家事を仕込む賢明なお母様もいらっしゃる反面、せっかく進学校に入学したのだからと、勉強以外のことは決してやらせなかったお母様もいらっしゃいます。
ここらへんは、どちらかというと「家風」の問題ですが・・・・・いずれにしろ、学校ですべてをまんべんなく学習することは不可能ですから、自分のお子さんに足りないのはどういった分野か、そしてそれをどのように補完するかを考える上でも、シラバスなどでカリキュラムを調査しておくことは、特色ある教育をする私立だからこそ大切だと思います。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
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| 中学受験の歩き方
2011年02月19日
中学受験の歩き方:中高大一貫教育を受けさせたいから
「なぜ中学受験をするのか?」のポジティブな理由の5番目に挙げたのが、「中高大一貫教育を受けさせたいから」でした。
私立中学を大別すると、受験校・大学付属校・半付属校に分けることができます。
開成、麻布、桜蔭、女子学院、雙葉など、大学が付属していなくて、必ず大学受験をすることになるのが受験校です。
そして、慶應中等部、慶應湘南藤沢、早稲田実業、早大学院、青山学院、学習院、立教池袋、明大明治など、ほとんどの生徒がそのまま付属大学に進学するのが大学付属校です。
また、付属大学があるため大学への推薦優遇があるけれども、ほとんどの生徒が大学受験をするのが半付属校で、早稲田(半数が早稲田大に進学)、武蔵、駒場東邦、東邦大東邦、大妻、白百合などがこれにあたります。
一般的に中学受験では、男子は受験校志向が強く、大学付属校の人気は女子ほど高くありません。ところが、女子では大学付属校の人気はとても高く、慶應中等部、慶應湘南藤沢、早稲田実業、青山学院、明大明治、立教女学院、学習院女子などは、すべて四谷大塚の80%偏差値で60を超えます。
なぜこういった現象が起きるのかといえば、中学受験だけではなく高校受験や大学受験の状況を考えた場合には、女子にとっては難関大学付属校に入学することはかなりのメリットがあるためです。
つまり、女子においては高校入試で難関大学付属校に入学するという選択肢は男子に比べてかなり少なくなってしまいますし、大学入試でこれらの難関大学に現役合格する可能性を考慮すると、中学受験の段階で安全策をとる人が多いのだろうと推測できるわけです。
もちろん、大学付属校にはデメリットもあります。それは受験校に比べて一般的に学費が高いことです(苦笑)
例を挙げて、中高6年間でかかる費用(進学レーダー2010年8月号より抜粋)を比較してみましょう。なお、注釈がない学校については、制服代を含んだ費用です。
大学付属校の例
@早稲田実業(東京・共学)・・・・・5,067,400円
A明大明治(東京・共学)・・・・・5,797,000円
B立教池袋(東京・男子)・・・・・6,627,500円(制服代を含まない)
C学習院女子(東京・女子)・・・・・6,705,109円
D慶應中等部(東京・共学)・・・・・3,873,430円+高校3年間(慶應は高校からは男女別学になります)
半付属校の例
@駒場東邦(東京・男子)・・・・・5,457,000円
A武蔵(東京・男子)・・・・・5,730,600円(制服なし)
B早稲田(東京・男子)・・・・・4,951,300円(制服代を含まない)
C白百合(東京・女子)・・・・・6,393,240円
D東邦大東邦(千葉・共学)・・・・・4,344,060円
受験校の例
@開成(東京・男子)・・・・・4,719,200円(制服代を含まない)
A麻布(東京・男子)・・・・・4,627,770円(制服なし)
B桜蔭(東京・女子)・・・・・4,749,600円
C女子学院(東京・女子)・・・・・5,048,360円(制服なし)
D豊島岡(東京・女子)・・・・・3,871,330円
学費に関する一般的な感覚として知っておきたいことは・・・・・・大学付属校は高目だが、その中でもやはり慶應は高い(苦笑)、そして学費は学校所在地の地価に連動することが多いということです(東京は高く、千葉や埼玉は安い・・・・・笑) ただし、大学入試のために浪人した場合には、予備校その他で年間100万円超、大学受験料で30〜50万円ほどかかるのが普通ですから・・・・・費用だけを見て判断してはいけません。お金は借りることができますが、時間は借りることができませんからね。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
私立中学を大別すると、受験校・大学付属校・半付属校に分けることができます。
開成、麻布、桜蔭、女子学院、雙葉など、大学が付属していなくて、必ず大学受験をすることになるのが受験校です。
そして、慶應中等部、慶應湘南藤沢、早稲田実業、早大学院、青山学院、学習院、立教池袋、明大明治など、ほとんどの生徒がそのまま付属大学に進学するのが大学付属校です。
また、付属大学があるため大学への推薦優遇があるけれども、ほとんどの生徒が大学受験をするのが半付属校で、早稲田(半数が早稲田大に進学)、武蔵、駒場東邦、東邦大東邦、大妻、白百合などがこれにあたります。
一般的に中学受験では、男子は受験校志向が強く、大学付属校の人気は女子ほど高くありません。ところが、女子では大学付属校の人気はとても高く、慶應中等部、慶應湘南藤沢、早稲田実業、青山学院、明大明治、立教女学院、学習院女子などは、すべて四谷大塚の80%偏差値で60を超えます。
なぜこういった現象が起きるのかといえば、中学受験だけではなく高校受験や大学受験の状況を考えた場合には、女子にとっては難関大学付属校に入学することはかなりのメリットがあるためです。
つまり、女子においては高校入試で難関大学付属校に入学するという選択肢は男子に比べてかなり少なくなってしまいますし、大学入試でこれらの難関大学に現役合格する可能性を考慮すると、中学受験の段階で安全策をとる人が多いのだろうと推測できるわけです。
もちろん、大学付属校にはデメリットもあります。それは受験校に比べて一般的に学費が高いことです(苦笑)
例を挙げて、中高6年間でかかる費用(進学レーダー2010年8月号より抜粋)を比較してみましょう。なお、注釈がない学校については、制服代を含んだ費用です。
大学付属校の例
@早稲田実業(東京・共学)・・・・・5,067,400円
A明大明治(東京・共学)・・・・・5,797,000円
B立教池袋(東京・男子)・・・・・6,627,500円(制服代を含まない)
C学習院女子(東京・女子)・・・・・6,705,109円
D慶應中等部(東京・共学)・・・・・3,873,430円+高校3年間(慶應は高校からは男女別学になります)
半付属校の例
@駒場東邦(東京・男子)・・・・・5,457,000円
A武蔵(東京・男子)・・・・・5,730,600円(制服なし)
B早稲田(東京・男子)・・・・・4,951,300円(制服代を含まない)
C白百合(東京・女子)・・・・・6,393,240円
D東邦大東邦(千葉・共学)・・・・・4,344,060円
受験校の例
@開成(東京・男子)・・・・・4,719,200円(制服代を含まない)
A麻布(東京・男子)・・・・・4,627,770円(制服なし)
B桜蔭(東京・女子)・・・・・4,749,600円
C女子学院(東京・女子)・・・・・5,048,360円(制服なし)
D豊島岡(東京・女子)・・・・・3,871,330円
学費に関する一般的な感覚として知っておきたいことは・・・・・・大学付属校は高目だが、その中でもやはり慶應は高い(苦笑)、そして学費は学校所在地の地価に連動することが多いということです(東京は高く、千葉や埼玉は安い・・・・・笑) ただし、大学入試のために浪人した場合には、予備校その他で年間100万円超、大学受験料で30〜50万円ほどかかるのが普通ですから・・・・・費用だけを見て判断してはいけません。お金は借りることができますが、時間は借りることができませんからね。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
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| 中学受験の歩き方
2011年02月18日
中学受験の歩き方:中高一貫教育を受けさせたい
「なぜ中学受験をするのか?」のポジティブな理由の4番目に挙げたのが、「中高一貫教育をうけさせたいから」でした。
近年は私立中高一貫校だけでなく、公立中高一貫校も増えてきて、中高一貫教育に関する注目度が高くなっています。この背景には、高校進学率が97%を超え、4年制大学進学率も50%を超えたという日本の進学状況があると思います。
大学進学率の推移を見てみると、20年前の1991年には、大学への進学率は25.5%、短大への進学率が12.2%でしたが、2009年では大学への進学率が50.2%で、短大への進学率が6.0%になっています。つまり、この20年間で大学への進学率は倍増し、短大への進学率は半減したわけです。
中高一貫教育にはメリットばかりではなくデメリットもあります。
最大のメリットとして挙げられるのは、中学学習範囲の薄さと高校学習範囲の厚さを6年間で平均するため、1年あたりの学習密度が平均していることです。
つまり、中学学習範囲というのは義務教育範囲ですから、誰もが無理なく学習できる内容とカリキュラムになっていますが・・・・・高校学習範囲というのは、自ら進んで高校に進学する生徒を対象にしていますから、科目選択ができるかわりに、高度な学習内容が盛り込まれており、学習時間を確保できない生徒はすぐに学習内容についていけなくなります。
このことは、中学と高校の教科書の厚さで比較してみると一目瞭然です。
したがって一般的な中高一貫校のカリキュラム進度では、中1〜中2までに中学学習範囲を、中3〜高3までに高校学習範囲を、効率の良いカリキュラムで学習するようになっています。
ところが、この効率の良いカリキュラムというのがクセモノで・・・・・ようするに、反復練習を伴わない学習になるわけです。
一度でも受験を経験したことのある方ならお分かりだと思いますが、学習内容の「定着」を図るには、一度学習した内容を反復練習し、忘れている事項をもう一度記憶し、「できる」ようにしなければなりません。一度できたから次もできるとは限りませんし、一度覚えたから二度と忘れないということもないわけです。したがって、孔子が言うように、「学びて時にこれを習う」(学習して、しばらくたってから復習する)のが勉強の奥義です。ですから試験というものが存在するわけです。
試験には出題範囲というのがつきもので・・・・・短期・中期記憶に優れた人ならば、定期テストなどではあまり苦労しないと思いますが・・・・・その反面、出題範囲が広い実力テストなどでは成績が下がることが多いようです。逆に、エクセレントゼミナールに通っている中高一貫校の生徒たちは、むしろ実力テストのほうが良い生徒が多いようです。なぜそういった現象が起きるのかといえば、我々が、重要事項を生徒に反復練習させることがいかに大切かをわかっていて、生徒が忘れたころに適宜ポイントを再確認させるからです。そのため、在籍期間が長い生徒のほうが最終的に成績が良くなるわけです。
ようするに、中高一貫教育の最大のデメリットは、高校受験が無いことによって、中学で学習する基本事項を徹底的に反復練習することがないまま、高校範囲に入ってしまうことなのです。これが顕著なのが英語です。数学や理科は科目の特性上、基礎が抜けていると必ずつまづくようになっていますが・・・・・英語・古文・漢文の言語科目は、「いつのまにか」、「なんとなく」、できなくなって、「苦手意識」が染み付く科目なのです。
したがって、「英語・数学・国語」の3科目は普段から演習と定着を繰り返さないとマズイのですが・・・・・気づいたときには手遅れになる中高一貫生は多いようです(私の場合は英語で苦労しました)。
日本の大学入試の英語は、今も昔も読解力・理解力を問う筆記試験であり、コミュニケーション能力や会話能力ではありません。だから、小学校で英語を導入しようが、楽しく英会話をさせようが、大学入試の役には立ちません。そして、「英語」を試験科目に課さない学科はないと思っていいため、「英語を制する者は大学入試を制す」といわれるわけです。
このように、中高一貫教育というのはカリキュラムとしては優れていますが、学習内容の「定着」を図るためのスパイラルプログラムにはなっていませんから・・・・・ちょっと勉強をサボったり、反復練習を怠ったりすると・・・・・受験勉強で鍛えられている高校からの入学者に遅れをとることになります。中学受験が終わって一休みしている間に、もとのもくあみにならないように注意してくださいね。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
近年は私立中高一貫校だけでなく、公立中高一貫校も増えてきて、中高一貫教育に関する注目度が高くなっています。この背景には、高校進学率が97%を超え、4年制大学進学率も50%を超えたという日本の進学状況があると思います。
大学進学率の推移を見てみると、20年前の1991年には、大学への進学率は25.5%、短大への進学率が12.2%でしたが、2009年では大学への進学率が50.2%で、短大への進学率が6.0%になっています。つまり、この20年間で大学への進学率は倍増し、短大への進学率は半減したわけです。
中高一貫教育にはメリットばかりではなくデメリットもあります。
最大のメリットとして挙げられるのは、中学学習範囲の薄さと高校学習範囲の厚さを6年間で平均するため、1年あたりの学習密度が平均していることです。
つまり、中学学習範囲というのは義務教育範囲ですから、誰もが無理なく学習できる内容とカリキュラムになっていますが・・・・・高校学習範囲というのは、自ら進んで高校に進学する生徒を対象にしていますから、科目選択ができるかわりに、高度な学習内容が盛り込まれており、学習時間を確保できない生徒はすぐに学習内容についていけなくなります。
このことは、中学と高校の教科書の厚さで比較してみると一目瞭然です。
したがって一般的な中高一貫校のカリキュラム進度では、中1〜中2までに中学学習範囲を、中3〜高3までに高校学習範囲を、効率の良いカリキュラムで学習するようになっています。
ところが、この効率の良いカリキュラムというのがクセモノで・・・・・ようするに、反復練習を伴わない学習になるわけです。
一度でも受験を経験したことのある方ならお分かりだと思いますが、学習内容の「定着」を図るには、一度学習した内容を反復練習し、忘れている事項をもう一度記憶し、「できる」ようにしなければなりません。一度できたから次もできるとは限りませんし、一度覚えたから二度と忘れないということもないわけです。したがって、孔子が言うように、「学びて時にこれを習う」(学習して、しばらくたってから復習する)のが勉強の奥義です。ですから試験というものが存在するわけです。
試験には出題範囲というのがつきもので・・・・・短期・中期記憶に優れた人ならば、定期テストなどではあまり苦労しないと思いますが・・・・・その反面、出題範囲が広い実力テストなどでは成績が下がることが多いようです。逆に、エクセレントゼミナールに通っている中高一貫校の生徒たちは、むしろ実力テストのほうが良い生徒が多いようです。なぜそういった現象が起きるのかといえば、我々が、重要事項を生徒に反復練習させることがいかに大切かをわかっていて、生徒が忘れたころに適宜ポイントを再確認させるからです。そのため、在籍期間が長い生徒のほうが最終的に成績が良くなるわけです。
ようするに、中高一貫教育の最大のデメリットは、高校受験が無いことによって、中学で学習する基本事項を徹底的に反復練習することがないまま、高校範囲に入ってしまうことなのです。これが顕著なのが英語です。数学や理科は科目の特性上、基礎が抜けていると必ずつまづくようになっていますが・・・・・英語・古文・漢文の言語科目は、「いつのまにか」、「なんとなく」、できなくなって、「苦手意識」が染み付く科目なのです。
したがって、「英語・数学・国語」の3科目は普段から演習と定着を繰り返さないとマズイのですが・・・・・気づいたときには手遅れになる中高一貫生は多いようです(私の場合は英語で苦労しました)。
日本の大学入試の英語は、今も昔も読解力・理解力を問う筆記試験であり、コミュニケーション能力や会話能力ではありません。だから、小学校で英語を導入しようが、楽しく英会話をさせようが、大学入試の役には立ちません。そして、「英語」を試験科目に課さない学科はないと思っていいため、「英語を制する者は大学入試を制す」といわれるわけです。
このように、中高一貫教育というのはカリキュラムとしては優れていますが、学習内容の「定着」を図るためのスパイラルプログラムにはなっていませんから・・・・・ちょっと勉強をサボったり、反復練習を怠ったりすると・・・・・受験勉強で鍛えられている高校からの入学者に遅れをとることになります。中学受験が終わって一休みしている間に、もとのもくあみにならないように注意してくださいね。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
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| 中学受験の歩き方
2011年02月17日
中学受験の歩き方:男子校・女子校で教育を受けさせたい
「なぜ中学受験をするのか?」のポジティブな理由の3番目に挙げたのが、「男子校・女子校で教育を受けさせたいから」というものでした。
首都圏中学受験を考えた場合には、共学校は千葉県・埼玉県・茨城県に多く、東京都や神奈川県の伝統ある私立校は男子校・女子校が多いといえます。
したがって、男子校や女子校で教育を受けさせたいと考えた場合には、必然的に都内難関私立中を目指すことになります。男子校であれ、女子校であれ、共学校であれ、それぞれに長所と短所があります。
私は男子校出身ですから、どちらかといえば荒っぽいらしく(草食系男子でないことは確かです・・・・・笑)、女性との距離感はいまだにわかっていません(苦笑) これは、私が一人っ子で、周りに同世代の女性の親戚がいないことも大きな理由の一つだと勝手に思っています(笑)
もっとも、適性があったようで・・・・・男子校に行ったことを後悔したことはありませんが、女性の観点がもっとわかっていれば、マーケティングに役立てることができたかもしれません(笑)
おそらく、私立中高一貫校に通うことで得るもっとも大きな財産というのは、同程度の学力で、似たような家庭環境(学費の支払い能力があるという点)の友人が、広範囲から集まっているということだと思います。
つまり、小学校・中学校とも同地域で、高校も近い地区にあった場合には、自然と行動範囲が狭くなるため、視野や感性を広げる機会が少なくなります。
「類は友を呼ぶ」ということわざがあるように、ある程度大人になって価値観ができあがってからは、行動パターンが出来上がってきますが・・・・・中学〜高校の感受性の高い時代に、質の高い友達と触れ合い、良い刺激を与え合って視野を広げることは、机上で学ぶ知識の何倍も貴重な体験だと思います。
その意味で、大手進学塾のアンケートによれば、男子校や女子校を選んだ理由の第1位に挙げられるのが「校風」になるわけです(ちなみに、共学校を選んだ理由の第1位に挙げられるのは、「交通の便」です)
バンカラ系、自由系、お嬢様系、秀才系、カトリック系、プロテスタント系、仏教系などの象徴的な言葉で表現されることの多い「校風」ですが・・・・・つぶさに生徒たちの生活や雰囲気を観察していると、なんとなくですがわかるものです。
志望校選びというのは「お見合い」みたいなものですから、「お見合い写真」(学校案内など)や「学歴」(大学合格実績など)だけで判断せず、「デート」(学校見学会や文化祭見学、そして実際に通っている生徒たちを見ることなど)を重ねてから相性を判断するようにしましょう。そうしないと、性格の不一致で6年間もたずに「離婚」(学校を辞めること)するハメになりかねませんから。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
首都圏中学受験を考えた場合には、共学校は千葉県・埼玉県・茨城県に多く、東京都や神奈川県の伝統ある私立校は男子校・女子校が多いといえます。
したがって、男子校や女子校で教育を受けさせたいと考えた場合には、必然的に都内難関私立中を目指すことになります。男子校であれ、女子校であれ、共学校であれ、それぞれに長所と短所があります。
私は男子校出身ですから、どちらかといえば荒っぽいらしく(草食系男子でないことは確かです・・・・・笑)、女性との距離感はいまだにわかっていません(苦笑) これは、私が一人っ子で、周りに同世代の女性の親戚がいないことも大きな理由の一つだと勝手に思っています(笑)
もっとも、適性があったようで・・・・・男子校に行ったことを後悔したことはありませんが、女性の観点がもっとわかっていれば、マーケティングに役立てることができたかもしれません(笑)
おそらく、私立中高一貫校に通うことで得るもっとも大きな財産というのは、同程度の学力で、似たような家庭環境(学費の支払い能力があるという点)の友人が、広範囲から集まっているということだと思います。
つまり、小学校・中学校とも同地域で、高校も近い地区にあった場合には、自然と行動範囲が狭くなるため、視野や感性を広げる機会が少なくなります。
「類は友を呼ぶ」ということわざがあるように、ある程度大人になって価値観ができあがってからは、行動パターンが出来上がってきますが・・・・・中学〜高校の感受性の高い時代に、質の高い友達と触れ合い、良い刺激を与え合って視野を広げることは、机上で学ぶ知識の何倍も貴重な体験だと思います。
その意味で、大手進学塾のアンケートによれば、男子校や女子校を選んだ理由の第1位に挙げられるのが「校風」になるわけです(ちなみに、共学校を選んだ理由の第1位に挙げられるのは、「交通の便」です)
バンカラ系、自由系、お嬢様系、秀才系、カトリック系、プロテスタント系、仏教系などの象徴的な言葉で表現されることの多い「校風」ですが・・・・・つぶさに生徒たちの生活や雰囲気を観察していると、なんとなくですがわかるものです。
志望校選びというのは「お見合い」みたいなものですから、「お見合い写真」(学校案内など)や「学歴」(大学合格実績など)だけで判断せず、「デート」(学校見学会や文化祭見学、そして実際に通っている生徒たちを見ることなど)を重ねてから相性を判断するようにしましょう。そうしないと、性格の不一致で6年間もたずに「離婚」(学校を辞めること)するハメになりかねませんから。この記事が参考になった方は応援クリックをお願いいたします!!
posted by 主宰 at 02:00| Comment(0)
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